1.相続人である「子」のいる可能性
叔父さんが独身であっても、実は過去に結婚していたが離婚して相続人である子がいるかもしれない。相続おもいやり相談室でも過去に兄弟姉妹さえ知らない結婚を長兄がしていたケースがあった。
2.傍系親族でも戸籍謄本は入手できるのか
(1)一般的には無理。当職のような士業を使って、職務上請求をするか、役所窓口での説明、または必要性の理由を書いた請求書を郵送後に電話などで説明して入手するしかない。
(2)傍系親族に頼む。その親族を探すのが大変かもしれないが、伝手をたどっていけば可能性が出てくる。
3.子が見つかった
子がいれば、第一順位が登場するから、第三順位の甥や姪には法定相続人でなくなる
4.子がいないときは、第2順位がいなければ甥姪が法定相続人に
叔父さんの兄弟がご存命なら相続し、他界しておれば代襲相続となる。相続おもいやり相談室ではどちらかというとこちらが多いケースであった。そうすると問題は、その代襲相続人である「いとこ」をどうやって探すかである。
上記の傍系親族について書いたことがそのまま当てはまる。しかし、兄弟が多いと大変である。平成時代は10名くらいはざらであった。令和の相続でも出くわす。
この場合に最大の問題は、「法定相続人の行方不明」である。
5.「法定相続人の行方不明」
(1)海外在住者
住民票の除票に記載が残っている場合があるので、それで領事館に問い合わせをする。見つかることが多い。相続おもいやり相談室では何度も世話になったが、仕事を休んで証明書を取りに行く事になって、頼むのが申し訳なかった。さらに住所や居所変えている場合でも、親族等で電話番号を知っている場合は有るし、当職も必死になってSNSで探す。
(2)失踪宣告
生死不明になった時から 7年間経過している場合、家庭裁判所に「失踪宣告」の申立てをする(民法30条~)。死亡とみなして手続きを進める事が出来る。
(3)不在者の財産の管理制度の利用(民法25条以下)
(不在者の財産の管理)第二五条
従来の住所又は居所を去った者(以下「不在者」という。)がその財産の管理人(以下この節において単に「管理人」という。)を置かなかったときは、家庭裁判所は、利害関係人又は検察官の請求により、その財産の管理について必要な処分を命ずることができる。本人の不在中に管理人の権限が消滅したときも、同様とする。
(管理人の職務)
第二七条
① 前二条の規定により家庭裁判所が選任した管理人は、その管理すべき財産の目録を作成しなければならない。この場合において、その費用は、不在者の財産の中から支弁する。
② 不在者の生死が明らかでない場合において、利害関係人又は検察官の請求があるときは、家庭裁判所は、不在者が置いた管理人にも、前項の目録の作成を命ずることができる。
③ 前二項に定めるもののほか、家庭裁判所は、管理人に対し、不在者の財産の保存に必要と認める処分を命ずることができる。
(管理人の権限)
第二八条
管理人は、第百三条に規定する権限を超える行為を必要とするときは、家庭裁判所の許可を得て、その行為をすることができる。不在者の生死が明らかでない場合において、その管理人が不在者が定めた権限を超える行為を必要とするときも、同様とする。
この条文でわかるように、不在者の財産管理人は、103条の保存行為しかできない、又すべきことになるから、遺産分割協議に参加したときに、法定相続分を主張しそれを管理することになる。
⇒この制度の利用について詳しくは、裁判所のサイトへ。
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