まだ間に合う「生前贈与による節税対策 6つの方法」2023

1.1年間に取得した財産の合計額が110万円以下

 2人の子供に、毎年110万円ずつ10年間贈与し続けると合計2,200万円の財産を無税で贈与できる。受贈者1人について110万円の非課税枠に注意する。
 また、毎年、同じ時期に同じ金額を継続的に行っている場合は、一定の金額を贈与するつもりとみなされてしまう。むしろ、多少超えた額を渡して申告したほうがいい。

 もっとも、相続開始前3年以内に行われたのであれば相続税の対象となることに注意する必要がある。

 ※2022法改正で、2024年からはこれが7年に変更される予定である。詳しくは別稿参照。

2.「贈与税の配偶者控除」

 配偶者から居住用の不動産、又は、これを購入するための資金を贈与されたときに、最高2,000万円まで贈与税の課税価格から控除される。

 婚姻期間が20年以上、今までに配偶者控除を受けていない、贈与財産は、①居住用不動産②居住用不動産の取得資金のいずれかであること、居住用不動産を居住の用に供し、その後も引き続き居住する見込であること、贈与税の申告をすることが要件である。

3.相続時精算課税制度

 生前に2,500万円まで贈与しても贈与税がかからない。将来相続税が発生しないような家庭の場合で、かつ、今のうちに多くの財産が欲しい場合に役に立つ。将来価格の上がるタワマン不動産では特に有効であろう。

4.住宅取得資金の贈与

 最大1,000万円までの住宅取得等資金贈与にかかる贈与税が非課税となり、暦年贈与の基礎控除額をプラスすることで更に110万の合計1,110万円まで贈与税が非課税となる。
 対象者は、父母および祖父母(直系尊属)からの贈与で、対象は贈与する年の1月1日に20歳以上の子・孫に限る。省エネ等であるかどうかなど対象の住宅は非常に範囲が細かい。

 贈与した年の翌年3月15日までに住宅を取得し居住開始、または未完成・未入居でも遅滞なく居住することが確実であることが条件である。

5.教育資金の贈与

 平成25年4月より「直系尊属からの教育資金の一括贈与にかかる贈与税の非課税制度」が開始となり、子供一人につき1,500万円までの贈与が非課税になる。

 ただし、子供が30歳までに使いきれず資金が口座に残った場合は、残額に対し贈与税が課税される。

 対象となる教育費は、『学校の教育費』と『学校以外の教育費』の2つに区分される。

6.結婚・子育て資金の贈与

 平成27年4月1日より、平成31年3月31日までの間に、20歳以上50歳未満の方が、結婚・子育て資金のために、金融機関等との一定の契約に基づき、父母や祖父母など一定の条件を満たした贈与を受けた場合には1,000万円まで贈与税が非課税なる。

 時限立法であったが、この結婚・子育て資金の贈与税非課税制度は、2025年3月まで、さらに2年間延長された。 祖父母や父母から、結婚・出産・子育てのための資金をもらった場合、最大1,000万円まで贈与税が非課税になっているが、結婚については300万円までとなっている。

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