相続税の対象にならない遺言での遺贈である寄付をする方法はどうすればいいのか。

1.寄付をするときの上手な遺言書の書き方

遺言で寄付をしたい方が確かに増えてきた。

相続おもいやり相談室での相談でも何度もそのような意思を持つ方に遭遇してきた。先々月もそう。

しかし、意外と正確にこの時の民法の要請とご意思の実現との関係をよくわかっていない方が多く、インターネット上の情報も怪しい。

正確に以下に記述したい。

2.寄付は遺贈だから一方的意思表示

寄付は法律的には「遺贈」である。

民法上は、契約ではなくて一方的意思表示という。

相手方の寄付を受ける財産受領意思はわからない。

そこで、寄付したい団体が組織として一般的に寄付を受けているのかを確認することが法律実務家として必要であろう。

例えば、海外の子供のための寄付であれば、「ユニセフ」のホームページなど見てみると

https://www.unicef.or.jp/cooperate/coop_inh1.html

※「ユニセフへの遺贈」という方法により、生涯で築かれた財産を世界の子どもたちの未来のために役立てることができます。とあり、

また、「あしなが育英会」では、

https://www.ashinaga.org/support/legacy-donations/

※あしなが育英会では、遺贈によるご寄付を承っております。

ご自分の財産を、病気や災害、自殺などで親を亡くした遺児の支援に役立ててほしいとお考えでしたら、ぜひ、遺言書を作成し受遺者をあしなが育英会とご指定ください。

「奨学金」や「アフリカ遺児高等教育支援100年構想」「あしなが活動全般」など使途を遺言書に明記していただければ、それに従って使わせていただきます。

…金融資産をはじめ土地・家屋などの不動産のご遺贈も承っております。

このようになっている。

また、地方公共団体等の公的組織でも、寄付についてそのサイトに記載することが多くなってきた。

3.迷惑な「善意」は避ける

このようにして、ネットでわかるときはいいが、分からないときは、遺言者と分からない方法で、寄付を受け付けているのかどうかを確認する必要がある。相続おもいやり相談室もそうしている。

有難迷惑という事もあろう。

なお、個人への寄付もありうるが、それは多くの場合は一般的な遺贈と変わらないことが多いので、この相続おもいやり相談室のサイトで遺贈の方法を確認して頂きたい。

また、金銭だけでなく他の動産や不動産などはどうかいう事も確認する必要があろう。

資産価値のないものは、地方公共団体では遺贈を拒否する場合もあるであろう。相続で取得した地方都市の田畑・山林やかっての開発地域などもそうである。

書籍や宝石類、骨とう品等も受贈者は困惑する場合が多々あろう。

やはり、有難迷惑にならないようにする。

4.相続税の対象確認

相続税は、財産をもらった人が払う。

金銭以外の寄付で受け入れてくれるかどうかが必要なのはこの点も関係するからである。

車の運転しない人にランボルギーニディアブロなどの外車を贈っても困るでしょう。

ユニセフのように、サイトに相続税の対象になりませんと書いてあってもそれは希望であるかも知れない。

私は、税務署で最新法令の確認をしている。対象外なのかどうか。

しかし、肝心の税務署の担当者がそれに不案内なことも多く、手間のかかることである。

しかし、必ずやるのがプロである。

5.遺言書の書き方

これは、遺贈と同じ欄に相続おもいやり相談室の遺言書原案では書いてある。

簡便だからである。

相続おもいやり相談室で、債務の次の項目にして、遺言書を読んだ人が一読でわかるようにしているのだ。

以上である。

実務で実際に多数やっているものは少ないであろう。相続おもいやり相談室では、公正証書遺言でも自筆証書遺言で勿論経験がある。

先だっても感動する寄付案件を扱った。京都に縁があって、結婚申し込みを受けて、居を定めたが、独特の京都のしきたりに四苦八苦して、親の気持ちを考えて、郷里に帰るに帰れず、もう90歳近くになっていた女性である。生まれ故郷、いつも心に想う学友や親戚などの方々、その地方都市に贈りたいと、西日本の某都市である。原案を書いていて思わず共鳴感に襲われ、目頭が熱くなった。

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